
ネットワークRTK(VRS)と単独CLASの使い分け
RTK-GNSS でcm級の位置を出すには、補正情報をどこから受け取るかが要になります。現場でよく比較されるのが、携帯回線で受け取る ネットワークRTK(VRS) と、みちびきの衛星から直接受け取る CLAS です。RTK-GNSS で位置調査を行う GeoDiveExa(GDE)の目線で、両者の違いと使い分けを整理します。
それぞれの仕組み
| 方式 | 補正情報の出どころ | 受信経路 |
|---|---|---|
| ネットワークRTK(VRS) | 全国の電子基準点(GEONET)網から計算 | 携帯回線(インターネット) |
| CLAS | みちびきが配信する補強情報(GEONETを基に算出) | みちびき衛星から直接(L6信号) |
VRS(仮想基準点方式)は、国土地理院が整備した電子基準点ネットワークのデータを統合し、サービス事業者が補正情報を計算・配信する方式です。移動局は携帯回線経由でこれを受け取ります。
一方 CLAS は、内閣府が運用するみちびき(QZSS)が配信する補強情報を使う方式で、対応受信機なら衛星から直接補正を受け取れます。
使い分けの勘どころ
ネットワークRTK(VRS)が向く場面
- 携帯回線が安定して届く市街地・平野部
- 基準局の設置が難しい、または短期間だけ使いたい現場
- 安定した補正配信で、初期化(Fix)を素早く決めたいとき
単独CLASが向く場面
- 携帯圏外になりやすい山間部・島しょ部
- 通信契約や基準局設置を増やさず、受信機だけで完結させたいとき
- みちびきの可視衛星が増える時間帯を活かしたいとき
携帯回線が届くかどうかが、まず大きな分かれ目になります。通信が不安定な現場では、衛星から直接受け取れるCLASの強みが効いてきます。

2026年の追い風
みちびきは7機体制への移行が予定され、CLAS の補強対象衛星スロットも増えています。常時可視の衛星が増えるほど、上空視界が悪い場所でも解を保ちやすくなり、単独CLASの実用範囲が広がる方向に働きます。VRS と CLAS は「どちらか一方」ではなく、現場条件で持ち替える・併用する道具と考えるのが実践的です。
GeoDiveExaでの位置づけ
GeoDiveExa は、RTK-GNSS で得た高精度な位置を地図上で確認・記録するための iOS アプリです。VRS でも CLAS でも、移動局側が出した cm 級の測位結果を扱える点は共通で、現場では「補正をどこから取るか」を環境に合わせて選び、その結果を GDE で可視化・整理する、という使い方になります。
注意 CRASの場合、今期-元期変換をOnにする(=セミダイナミック補正 または 定常時地殻変動補正を使用する)ことでJGD2024/2011緯度経度に変換できます。
まとめ
- VRS:携帯回線が届く場所で安定。市街地・平野部向き。
- CLAS:衛星から直接補正。山間部・圏外に強い。
- 2026年のみちびき強化で、単独CLASの実用域が拡大。
出典
- RTKとCLASの違いとは?【2026年版】(デジコン)
- リアルタイム補正の技術:RTKとネットワーク型RTK(VRS)の違い(Lefixea LRTK)
- 港湾工事等に用いられる衛星測位の種類と特徴(海上GPS)
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