2024年6月のRTK-GNSSチップ調査(簡易的な性能比較)


多くのRTK-GNSS受信機が有りますが、その心臓部として使用しているICチップを調べてみました。今後もいろいろなチップとRTK-GNSS受信機が出てくると思いますので、どれでも使用できる様に確認していきたいと思います。

チップ性能はチャネル数、データ更新速度と精度で概略比較するでしょうからわかる範囲で表にしてみました。

チャネルは1590、更新速度は100Hz、水平精度は0.6cm+0.5ppm CEPが最良の様です。

チップ名称チャンネル数更新速度精度
ZED-F9P184チャンネル20Hz水平位置精度 1cm+1ppm CEP
Mosaic-X5448チャンネル100Hz水平位置精度 0.6cm+0.5ppm CEP
RTK-1612135チャンネル
UC6580135チャンネル
UC98101408チャンネル100Hz水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm
K8031590チャンネル20Hz水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm
不明(JAVAD OEMシリーズ)864チャンネル100Hz

1)ublox ZED F9P

最も使われているチップで、今のRTK-GNSSブームの火付け役と言えるのではないでしょうか。GeoDiveExaで接続実績有ります。

名称機能GNSS受信機
ZED-F9PRTK対応M5F9P,Drogger,SEKIREI-S9P
NEO-D9CCLAS対応M5D9C
184チャンネル u-blox F9P
RTK Fix時 水平位置精度 1cm+1ppm CEP
データ更新最大20Hz

2)Septentrio Mosaicシリーズ

スペック上はF9Pより高性能に見えます。とくにMosaic-H2アンテナシステムを簡単に構築できそうなので気になるチップです。GeoDiveExaで接続実績有ります。

名称機能GNSS受信機
Mosaic-X5RTK対応Drogger,CohacTen
Mosaic-CLASCLAS対応Drogger,CohacTen
Mosaic-H2アンテナRTKDrogger
448チャンネル Mosaic RTK
RTK Fix時 水平位置精度 0.6cm+0.5ppm CEP
データ更新最大100Hz

3)Locosys RTKシリーズ

調べて初めて見つけたチップです。使った事が有りませんが、接続実験してみたい物です。

名称機能GNSS受信機
RTK-1612RTK対応
135チャンネルGNSSをサポート
TDK-42670-P 6軸MEMS(3軸ジャイロと3軸加速度計)を内蔵

4)unicore シリーズ

名称機能特徴
UC6580RTK対応自動車用
96チャンネルGNSSをサポート
超高感度: トラッキング-162 dBm、取得-148 dBm
名称機能特徴
UC9810RTK対応超高性能のチップ
1408チャンネルGNSSをサポート
水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm
データ更新100Hz

5)JRC JG11

国内唯一のGNSSチップで自社開発とのこと。自動車用の感じです

データ更新10Hz

JRCサイトの説明から抜粋

唯一のGNSSチップで自社開発とのこと。
詳しくはJRCサイトで見て下さい。

6)古野電気 ePV9000B(RTKでは無いが50cmの精度)

L1とL5信号で50cm精度のGNSSチップです。RTKでは無いので基準局が不要です。

50cm精度が出れば自動運転(レベル2~レベル3)に対応できるとの事でとても興味深いチップです。自動車用の感じです

7)geosurf/グレートスタージャパン

高機能・高価なRTK-GNSS受信機です。

名称機能特徴
K803RTK対応超高性能のチップ
1590チャンネルGNSSをサポート
水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm
データ更新20Hz

超高性能のチップK8を内蔵したと思われる、気になるRTK-GNN受信機があります。

GNSS受信機 VenusレーザーRTK
グレートスタージャパンサイトの説明から抜粋
世界初のレーザーRTK測量ができるGNSS受信機。
受信の位置・IMU・レーザー距離計の3つの要素を混合処理することで、レーザー照射したポイントの座標を瞬時に計算。従来のポールでは測定できなかったあらゆるポイントが、測定可能になりました。

1590チャンネルGNSSをサポート

試作RTPS機器と同じ考えですが、方向や仰角をIMUで求める点が異なります。

GNSS受信機 T300Plus
グレートスタージャパンサイトの説明から抜粋
最大60°の傾斜補正、およびAndroidベースのSurvey Masterソフトウェアによる簡単なワークフローを特徴とする新世代の受信機で、オンデマンドでセンチメートル精度の測量を行うことができます。

おそらく1590チャンネルGNSSをサポート

IMUを使う事で斜めの計測が行えるのが面白いですね。

8)TOPCON・SOKKIA GNR5

チャネル数からF9P/Mosaicなどとは異なるチップを使用されている様です。

458チャンネルGNSSをサポート

水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm

データ更新20Hz(オプション最大100Hz)

9)ENABLER/JAVAD OEMシリーズ

チップは分かりませんが、JAVADは最初にみちびき対応をしたメーカとのことです。

864チャンネルGNSSをサポート

データ更新最大100Hz

お願い:RTK-GNSSチップは調べきれていないと思います。異なるチップがありましたら教えて下さい。


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