1980年代のGPSは、誤差信号を入れていたので100m程度の位置精度が当たり前でした。
そのため、ナビゲーションシステムは近くの道路に強制的に位置を引き込む(=マップマッチング)機能を使用してかろうじて使える物でした。
2000年頃にこの誤差信号がなくなり数m程度の誤差になりました(=現在も同様の誤差があります)。
私の記憶では1980年代後半にトリンブルから「基地局を3つ配置」して「電波3角測量方式で高精度位置計測する」というシステムの発表があったと思います(=が、いま調べても該当の記事は見当たりません)。
当時で5000万以上していたと記憶してますが、あまり売れなかったのかもしれません。
RTKと方式は違いますが、電波を使った高精度位置即位の走りと思っています。使ってみたかったのですが、流石に当時はできませんでした。残念でしたが30年後に使える環境になりました。
1)トランジスター技術2018年1月号
トランジスター技術2018年1月号にRTK-GNSSを「個人でも作成できる」記事がでました。これで昔出来なかった事が出来ると思いさっそくUBLOX-NEO-M8Pを2セット購入しました。
1つを基準局にして1つは移動局にするためです。
2)UBLOX-NEO-M8Pを使ってRTK-GNSS計測実験
Rasppbery-piにRtkLIBを入れて、UBLOX-NEO-M8Pと繋いで移動局(R)を作ります。同様に基準局(B)も作ります。
基準局はインターネットに公開して私設のNTRIPサーバにしました。
注意:私設のNTRIPサーバは現在(24/6)公開していません。2019年時の実験用です。
自宅に2つのRTK-GNSSアンテナを立てて、それぞれに作成した移動局(R)と基準局(B)に接続して、RTK-GNNSの即位基礎実験しました。
2つのアンテナ間をメジャーで測り、RTK-GNSS即位結果と比較する1cmも違わない事に感動しました。
その後はあちこちの基準点を探して、RTK-GNSS計測実験を繰り返して位置精度を確認してました。遠く離れた北九州の基準点なども位置計測したら余りの高精度に驚いた次第です。
RTK-GNSS基準局とRTK-GNSS移動局の距離は10km〜20km程度が実用的との話がありますが、数百km離れていてもそれなりに即位できましたのは驚きです。その様な使い方は推奨されませんが、携帯電話のGPSを使うよりは良い場合もある様です。
感想1:基準局は学校内にも有ります。勝手に入るわけにも行かず、せっかく行ったのに討ち死にの場合が結構あります。また、とても計測できそうにない場所もありました。計測に行く前にGoogleEarthなどで事前調査が必要ですね。
下の画像はRTK-GNSSの位置精度実験中の物です、測定結果は+ー2cm範囲にはいっています。
3)トランジスター技術2019年2月号
トランジスター技術2019年2月号に現在多く使われているUBLOX-ZED-F9Pとみちびき(CLAS)の特集記事が出ました。F9Pが出た事により、多種多様なRTK-GNSS受信機が安価に販売される状況になったと思います(=以前の100万円台から10万円台になり個人でも試作・使用できる夢のような状況です)。
M8Pと異なりF9Pは基準局にも移動局にもなります使い勝手の良いモジュールです。
4)臼杵の街中でGPSとRTK-GNSS計測比較
大分県臼杵市は古い城下町があり両側が塀に囲まれていたりしていますのでGPS計測には良い環境とはいえません。そこでGPSとRTK-GNSS計測をして比較しました。
GPSはiPhoneの計測結果、RTK-GNSS受信機はRasppbery pi+ UBLOX-NEO-M8Pで構成した手作り品です。
GPSの計測とRTK-GNSSの比較をするために同時刻の計測位置を線で結んでいます。GPS単独では7m程度の誤差が発生しますがRTK-GNSSだとそこまで酷い事にはなりません。
5)トランジスター技術2019年10月号
「トランジスター技術2019年10月号」に[GPSxカメラx地図」の特集があり、F9Pの開発キットも発売されたので早速2台購入しました。
ついでに間違って「トランジスター技術2019年10月号」も2冊買ってしまいました(=一緒に開発しているK君に進呈しましたので無駄にはしていません)。
以後はF9Pを使用していく事になります。
F9P+RasppberyPi3で基準局を作成して、M5Stack+M5F9Pを移動局としてRTK-GNSS実験しているところです。
F9PはM8Pと比べてFix速度など色々性能向上されていると感じました。
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