🗾 日本の測地系の変遷と実務対応:TOKYOからJGD2024Bまで

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色々座標系変換をしてみると、こんがらかってきたのでMicrosoft Copilotを使用してまとめてみました見ました。これでスッキリ。この結果GeoDiveExaは次の座標系をサポートする事にします。 TOKYO/JGD2000/JGD2011/JGD2024(=JGD2011+ジオイド2024)/JGD2024B

はじめに

日本の測地系は、明治期の「TOKYO測地系」から始まり、世界測地系に準拠した「JGD2000」「JGD2011」、そして最新の「JGD2024」へと進化してきました。本記事では、それぞれの測地系の特徴と変換方法、さらに実務で有効な仮想座標系「JGD2024B」について解説します。


測地系の概要と変遷

測地系名基準楕円体原点主な改定内容世界測地系との関係
TOKYOベッセル楕円体東京天文台日本独自の基準非対応(ズレあり)
JGD2000GRS80地球重心世界測地系導入・電子基準点整備対応
JGD2011GRS80地球重心地震後の座標補正(水平のみ)対応
JGD2024GRS80地球重心標高成果の全面改定(鉛直座標)対応

TOKYO → JGD2024への変換ステップ

1. TOKYO → JGD2000

  • 国土地理院提供の「TKY2JGD」ツールを使用。
  • 緯度経度・平面直角座標の変換に対応。

2. JGD2000 → JGD2011

  • 地震補正ファイル(.par)をPatchJGDで適用。
  • 2003〜2011年の地震に対応する補正ファイルを地域ごとに選定。
  • 同一メッシュに複数の地震が影響する場合は、時間軸に沿ってPatchJGDを適用。

3. JGD2011 → JGD2024

  • 水平座標はJGD2011と完全に同一。
  • 標高のみ「ジオイド2024」に基づいて補正。
  • 国土地理院提供の標高補正ファイルを使用。

地震補正ファイルとSemiDyna2024.parの活用とJGD2024Bの提案

補正ファイルの意義

  • JGD2011は2011年時点の座標を基準としており、それ以降の地殻変動(例:熊本地震、胆振地震など)は未反映。
  • 国土地理院は2011年以降地震の補正ファイルも提供しており、現況に近づけるために有効。
  • またプレート変動の補正ファイルSemiDyna2024.parも提供されている。

JGD2024Bの提案

  • JGD2011(=JGD2024の水平座標)に、2011〜2024年の地震補正ファイルを自動的に累積適用する
  • 実務での精度向上や現況との整合性確保に有効。
  • 公的成果には使用できないが、災害復旧や地籍調査、インフラ管理などで活用価値あり。
  • 注意:実際には補正パラメータは市町村により適用範囲があるので参考程度に見て下さい。特に能登半島地震は2つのパラメータがあり、市町村の境界部分については適用範囲を考慮していないので問題があります。

実務での運用ポイント

  • 地域ごとに適用すべき補正ファイルを選定し、PatchJGDで順次適用。
  • JGD2024Bは補助的な実務座標として上記のPatchJGD計算をを自動的に適用してJGD2024に変換する機能。
    あえて、JGD2024としないのは機能的に区別するためです。
    参考:📊 座標変換精度検証:Geoアプリと国土地理院PatchJGD比較

おわりに

測地系の変換は単なる座標の置き換えではなく、地球の動きと技術の進化を反映した重要な作業です。JGD2024Bのような実務的な補正座標系の導入は、現場の作業向上に貢献するでしょう。今後も地殻変動や技術革新に対応した柔軟な座標管理が求められます。

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