RtkLibのプロット機能を使えば、GPS受信機からの位置情報精度を簡単に確認できます。

1)RtkLibとは
すなおにGeminiさんに説明を依頼します。GPS関連の業務をしている人は一度はお世話になる有名なプログラムです。
RTKLIBとは?
RTKLIB(アールティーケーライブラリ)は、GPS測位の精度を劇的に向上させる技術であるRTK(Real Time Kinematic)のアルゴリズムを実装した、C言語で記述されたオープンソースの測位計算ライブラリです。
RTK(Real Time Kinematic)とは?
RTKは、複数のGPS受信機を用いて、センチメートルレベルの高精度な測位を可能にする技術です。
基準局:既知の正確な位置にあるGPS受信機。
** rover局**:位置を測定したいGPS受信機。
基準局とrover局の間で観測データをやり取りし、その差からrover局の正確な位置を算出します。
RTKLIBの特徴
オープンソース: 無償で利用でき、ソースコードも公開されているため、自由に改変・拡張が可能です。
高精度: RTK測位に必要な様々な機能を実装しており、センチメートルレベルの高精度な測位が可能です。
柔軟性: さまざまなGNSS(GPS、GLONASS、Galileoなど)に対応しており、様々な測位環境に対応できます。
拡張性: プラグイン形式で機能を拡張できるため、ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズが可能です。
RTKLIBの主な機能
RTK測位: 実時間での高精度測位
後処理測位: 観測データを後から処理して、より高精度な測位結果を得る
RINEXデータの読み書き: GNSS観測データの標準フォーマットであるRINEXデータの読み書き
各種測位モデルのサポート: シングルポイント測位、DGPS、PPPなど、様々な測位モデルに対応
RTKLIBの利用例
測量: 地形図作成、建設現場での測量など
農業: 農地の測量、ドローンを使った散布作業
GIS: 地理情報システムへのデータ入力
研究開発: GNSS測位技術の研究開発
RTKLIBの入手方法
RTKLIBの公式サイトからソースコードを入手し、自分でコンパイルして利用することができます。また、一部のメーカーでは、RTKLIBをベースにした測位ソフトウェアを提供している場合もあります。
まとめ
RTKLIBは、GPS測位の高精度化に不可欠なツールであり、様々な分野で活用されています。オープンソースであるため、自由にカスタマイズでき、研究開発にも利用しやすいという特徴があります。
2)RtkLibのインストール方法
RTKLIBの公式サイトから普通はバイナリーのインストールファイルをダウンロードします。2024/8/2現在Version2.4.2(2013/04/29)が安定版ですので「rtklib_2.4.2`_bin.zip」をダウンロードします。
ダウンロードした「rtklib_2.4.2`_bin.zip」を解凍すれば使用できます。
3)よく使うRtkLibのプログラム
解凍したフォルダー(rtklib_2.4.2/bin)内には各種プログラムが有りますが、以下のGUIプログラムをよく使います。
番号 | GUIプログラム | 機能 |
---|---|---|
1 | rtklaunch | GUIプログラムランチャーです |
4 | rtknavi | リアルタイム即位 |
5 | rtkplot | 観測データプロット |
RtkLibのマニュアルはネットに色々有りますので参照してください。
ネットのマニュアル | 備考 |
---|---|
rtklib2.4.2マニュアル(英語) | 現バージョンのマニュアルですが英語です |
RTKLIB ver.2.2 Manual(日本語) | 少し古いですが日本語マニュアルです |
GNSS即位入門からRTKLIBの活用まで(その1) | RTKLIBの開発者である高須先生が、GNSSの概要から原理・RTKLIBの使い方まで詳しく書いてある。関係者は一度は読むドキュメントですね。 |
4)rtkplotを使用して計測精度の確認方法
rtkplotを利用してRTK-GNSS受信機データをプロットする事により計測精度を確認します。
4−1)rtkplotを起動します
rtklib_2.4.2/bin/rtkplot.exeをダブルクリックして起動します。またはrtklaunchの左端のボタンを押します。

4-2)RTK-GNSSと接続します
例)M5Stack+M5F9Pとの接続の場合:TCPクライアントとしてRTKPLOTを接続設定を以下の様な手順で行います。

「File」メニューから「Connection Settings…」を選びます。

「Connection Settings」ダイアログの「Stream Type」(1)を選びます。
*「Stream Type」(2)も同様に設定できます。
*同時に2台のRTK-GNSS受信機と接続して受信データをプロットできます。

「Tcp Client」を選びます。
*RTK-GNSS受信機の接続形式に応じて Serial/TCP Client/TCP Serverを切り替えます。

TCP Server の AddressとPort設定ダイアログが表示されます。

例ではTCP Server の Address=192.168.0.77を設定します。
同様にPort=52101を設定します。

「File」直下の「Connect/Disconnect」ボタンを押してRTK-GNSS受信機と接続します。
4−3)計測開始します

計測が開始すると現在地がプロットされます。
右下にグリッドの距離が出て居ますので大きい場合は、マウスのホイールを回し拡大してcm単位にします。

4-4)そのまま長時間計測します。ばらつき具合をみて計測精度を判定します。
幾つか長時間(=5時間以上)計測した結果を例として掲載します(=多数の長時間計測結果がこのブログ「計測」に有りますので、参照してください)。

計測結果のばらつきが+-2cm程度で非常に良い計測結果です。

計測結果のばらつきが+-6cm程度なので悪い計測結果です。
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