多くのRTK-GNSS受信機が有りますが、その心臓部として使用しているICチップを調べてみました。今後もいろいろなチップとRTK-GNSS受信機が出てくると思いますので、どれでも使用できる様に確認していきたいと思います。

チップ性能はチャネル数、データ更新速度と精度で概略比較するでしょうからわかる範囲で表にしてみました。
チャネルは1590、更新速度は100Hz、水平精度は0.6cm+0.5ppm CEPが最良の様です。
チップ名称 | チャンネル数 | 更新速度 | 精度 |
---|---|---|---|
ZED-F9P | 184チャンネル | 20Hz | 水平位置精度 1cm+1ppm CEP |
Mosaic-X5 | 448チャンネル | 100Hz | 水平位置精度 0.6cm+0.5ppm CEP |
RTK-1612 | 135チャンネル | ||
UC6580 | 135チャンネル | ||
UC9810 | 1408チャンネル | 100Hz | 水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm |
K803 | 1590チャンネル | 20Hz | 水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm |
不明(JAVAD OEMシリーズ) | 864チャンネル | 100Hz |
1)ublox ZED F9P
最も使われているチップで、今のRTK-GNSSブームの火付け役と言えるのではないでしょうか。GeoDiveExaで接続実績有ります。
名称 | 機能 | GNSS受信機 |
---|---|---|
ZED-F9P | RTK対応 | M5F9P,Drogger,SEKIREI-S9P |
NEO-D9C | CLAS対応 | M5D9C |
RTK Fix時 水平位置精度 1cm+1ppm CEP
データ更新最大20Hz
2)Septentrio Mosaicシリーズ
スペック上はF9Pより高性能に見えます。とくにMosaic-Hは2アンテナシステムを簡単に構築できそうなので気になるチップです。GeoDiveExaで接続実績有ります。
名称 | 機能 | GNSS受信機 |
---|---|---|
Mosaic-X5 | RTK対応 | Drogger,CohacTen |
Mosaic-CLAS | CLAS対応 | Drogger,CohacTen |
Mosaic-H | 2アンテナRTK | Drogger |
RTK Fix時 水平位置精度 0.6cm+0.5ppm CEP
データ更新最大100Hz
3)Locosys RTKシリーズ
調べて初めて見つけたチップです。使った事が有りませんが、接続実験してみたい物です。
名称 | 機能 | GNSS受信機 |
---|---|---|
RTK-1612 | RTK対応 |
TDK-42670-P 6軸MEMS(3軸ジャイロと3軸加速度計)を内蔵
4)unicore シリーズ
名称 | 機能 | 特徴 |
---|---|---|
UC6580 | RTK対応 | 自動車用 |
超高感度: トラッキング-162 dBm、取得-148 dBm
名称 | 機能 | 特徴 |
---|---|---|
UC9810 | RTK対応 | 超高性能のチップ |
水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm
データ更新100Hz
5)JRC JG11
6)古野電気 ePV9000B(RTKでは無いが50cmの精度)

L1とL5信号で50cm精度のGNSSチップです。RTKでは無いので基準局が不要です。
50cm精度が出れば自動運転(レベル2~レベル3)に対応できるとの事でとても興味深いチップです。自動車用の感じです。
7)geosurf/グレートスタージャパン
高機能・高価なRTK-GNSS受信機です。
名称 | 機能 | 特徴 |
---|---|---|
K803 | RTK対応 | 超高性能のチップ |
水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm
データ更新20Hz
超高性能のチップK8を内蔵したと思われる、気になるRTK-GNN受信機があります。

GNSS受信機 VenusレーザーRTK
<グレートスタージャパンサイトの説明から抜粋>
世界初のレーザーRTK測量ができるGNSS受信機。
受信の位置・IMU・レーザー距離計の3つの要素を混合処理することで、レーザー照射したポイントの座標を瞬時に計算。従来のポールでは測定できなかったあらゆるポイントが、測定可能になりました。
1590チャンネルGNSSをサポート
試作RTPS機器と同じ考えですが、方向や仰角をIMUで求める点が異なります。

GNSS受信機 T300Plus
<グレートスタージャパンサイトの説明から抜粋>
最大60°の傾斜補正、およびAndroidベースのSurvey Masterソフトウェアによる簡単なワークフローを特徴とする新世代の受信機で、オンデマンドでセンチメートル精度の測量を行うことができます。
おそらく1590チャンネルGNSSをサポート
IMUを使う事で斜めの計測が行えるのが面白いですね。
8)TOPCON・SOKKIA GNR5
チャネル数からF9P/Mosaicなどとは異なるチップを使用されている様です。

458チャンネルGNSSをサポート
水平: 0.8 cm + 1 ppm 垂直: 1.5 cm + 1 ppm
データ更新20Hz(オプション最大100Hz)
9)ENABLER/JAVAD OEMシリーズ
チップは分かりませんが、JAVADは最初にみちびき対応をしたメーカとのことです。

864チャンネルGNSSをサポート
データ更新最大100Hz
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