1)GeoDiveExaと接続実績があるRTK-GNSS受信機
以下の4機種については接続実績があります。
接続実績はありませんが、RTK-GNSS受信機の心臓となるチップはUblox-ZED-F9PやSeptentrio-Mosicチップが大部分でしょうから同様に使用できると思います(=確認は必要です)。GeoDiveExaと接続実験したいRTK-GNSS受信機メーカの方がいらっしゃいましたらお問い合わせください。
NEMA出力を「TCPサーバ」か「TCPクライアント」方式で出すRTK-GNSS受信機ならば問題は無いと思いますが、Softbankのichimiliサービス一体型端末のように特殊な対応が必要になる場合もありますのでお問い合わせください。
1−1)M5Stack+M5F9P

M5StackとジオセンスM5F9PをRTK-GNSS受信機としてGeoDiveExaと接続する方法を良く使用しています。
M5StackはArduinoとして独自のプログラムで機能拡張・外部デバイス接続など汎用性が高くGeoDiveExa用に最適化・試作化できるので、よく使うRTK-GNSS受信機です。
このバリエーションとして2つのM5F9Pを入れた2GPSアンテナシステムや、ジオセンスM5D9Cを入れてRTK/CLAS-GNSS受信機システムがあります。
M5Stack+M5F9Pは「TCPサーバ」として位置情報を送信しますので、GeoDiveExaは「クライアント」として受信します。
1−2)CohacTen

CohacTenはSeptentrioのMosicチップを使用した高性能・高機能のRTK-GNSS受信機です。
CohacTenの特徴として「TCPサーバ」と「TCPクライアント」モードがあり、各種GPSロガーアプリと接続ができる点と、「Webサーバ機能」で簡単に設定できる点です。
スペックで比較するとUblox-ZED-F9PとMosic-X5では、機能・性能ともMosic-X5が高そうに見えます=値段も高くなります。
GeoDiveExaでは1秒に1回の測定が基本なので使用感として違いは感じませんでした(=1秒に10回以上測定するような状況では別な評価になるかもしれません)。
1−3)Drogger

Droggerには多くの種類がありUblox-ZED-F9PやSeptentrio-Mosicチップを使用した防水・防塵・ヘビーデューティー仕様のRTK-GNSS受信機です。国土地理院 1級 GNSS測量機認定取得した機種もあります。
ただしAndroid用と謳っている様にAndroidとの相性が良い機器です、iPhoneで使用する場合、通信などの設定はAndroidで行い、その後iPhoneで繋げて使用する様な流れになります。
GeoDiveExaでは上記の様な1ステップ余計な作業が必要ですが普通に使用できました(=1度Androidで設定すれば良いだけですので、面倒なのは最初の1回のみですね)。
Droggerは「TCPクライアント」として位置情報を送信しますので、GeoDiveExaは「サーバ」として受信します。
1−4)Softbank ichimili サービス一体型端末

Softbankのichimiliサービス一体型の端末です。計測結果がSoftbankの「サーバ」に保存されますので、GeoDiveExaからは「サーバ」から位置情報をダウンロードする形で使用します。
固定位置で連続測定する様な用途と思われますが、GeoDiveExaでの受信実績はあります。
2)RTK-GNSS受信機-iPhone-GeoDiveExa関係

RTK-GNSS受信機はWifiに事前に接続しておきます(=例えば、iPhoneを「インターネット共有」にして、iPhoneに接続します)。GeoDiveExaを使用するiPhoneやiPadは同じWifiネットワークに接続します。
RTK-GNSS受信機はGNSS衛星からのGPS情報を受信して初期位置を求めます(A)。(A)をWifi経由でRTK基準局へ送り、補正情報を受け取ります(B)。補正情報を使用して現在位置を補正して高精度位置(C)に変換してWifiを経由してNEMA形式で出力します。GeoDiveExaはNEMA情報を読み込み高精度位置(C)をアプリ内にデータとして取り込みます。
RTK-GNSS受信機が「TCPサーバ」形式でNEMA出力する場合は複数のiPhoneやiPadなどの機器で高精度の位置(C)情報を使用できます。例えば、RTK-GNSS受信機をiPhoneに「インターネット共有」で繋ぎ、同様にiPadもiPhoneに繋ぎます。iPadでRTK-GNSS受信機から高精度の位置(C)を取得してGeoDiveExaを実行すると、iPadの広い画面やSplitViewで別アプリと共に使えます。
3)RTK-GNSS受信機とGeoDiveExa設定

GeoDiveExaの「設定」タブに「RTK受信方式」があります。
RTK-GNSS受信機との接続方法をクライアント/サーバ/外部サーバから選びます。
RTK-GNSS受信機がTCPサーバならばクライアントにします。
RTK-GNSS受信機がTCPクライアントならばサーバにします。
Softbankのoftbankのichimiliサービス一体型の端のように外部サーバから位置情報を取得する様な場合は外部サーバにします(=この場合、外部サーバに様に特殊な設定が必要になりますのでお問い合わせください)。
接続方式に応じてRTK-GNSS受信機のIPアドレスやポート番号を指定します。
「NMEAログを出力する」は、GeoDiveExaのsystem logにRTK-GNSS受信機のNMEAデータをそのまま出力します(=動作確認用なので、通常はOffで良いと思います)。
「単独測位を使用する」は、RTK-GNSS受信結果でFix/Float以外の場合の動作を指定します。デフォルトはiPhoneのGPS結果を使いますが、RTK-GNSS受信機結果を使いたい時にOnにします=iPhoneのGPS結果はマップマッチングや携帯基地局などの情報を利用して位置補正している様なので、RTK-GNSS受信機のFil/Float以外の場合精度が良い可能性がありますので、デフォルトをiPhoneのGPS結果を使う様にしています)。通常はOffで良いと思います。
「今期->元期変換を使用する」は、みちびき(CLAS)用の機能です。通常使用している地図は元期です。CLASの結果は今期なのでそのまま使用すると計測結果がズレて表示される事になります。CLASを使用する場合やNTRIPサーバの補正結果が今期の場合はOnにする事によりセミダイナミック補正を実行して元期座標に変換して使用します。補正パラメータは国土地理院から出ているSemiDyna2022.parを使用していましたが、SemiDyna2024.parが出ましたので切り替える予定です。
「ジオイド2011補正を使用する」は、Ublox-ZED-F9Pなど日本のジオイドと異なるジオイドを使用している場合に、日本のジオイドに変換して高さを日本の標高に合わせるために使用します。補正パラメータは国土地理院から出ている日本のジオイド2011(Ver2.2)を使用していま。
「アンテナオフセット(m)」は、RTK-GNSS計測した高さはアンテナの高さです。高さを地面の高さ(=標高)に変換するためには地面からのアンテナ高さを引き算する必要があります。地面からのアンテナ高さをアンテナオフセット(m)にm単位で指定すると計測結果を標高に変換します。
4)M5Stack+M5F9PをRTK-GNNS受信機としてiPhone/GeoDiveExaと接続する方法
4−1)コンフィグ設定
M5stackのSD-CARDのコンフィグファイル(m5f9p.ini)に以下の設定をします。
wifiの設定 | ssidと接続用のpasswordを設定します。最大9種類設定できます。 |
GPS受信レート | 1秒間に何回GPSデータを受信するかを指定する。通常は1〜4を指定します。 |
TCPサーバ | TCPサーバのポート番号を指定する。デフォルトとして52101を使用しています。 |
基準局設定(RTK) | NTRIPサーバのaddress/port/mount/user/pasword/protocolをNTRIPサーバの契約状況に応じて指定する。ggaは1にする。最大9種類設定できます。 |
基準局設定(CLAS) | CLASを使用する場合はaddress/mount/user/password/protocolはCLAS固定にする。 portは0、ggaは1にする。 |
<m5f9p.iniファイルのサンプル>
;
; Highware-exa ver 24.3.15 対応
;
;=================================================
; wifi の設定————————–
;=================================================
; ルータまたはアクセスポイント
; 最大9か所(wifi0~wifi8)登録可能
;
;———————————————-
;ユーザ環境に応じて、ssid/passwordを設定して下さい。
[wifi0]
ssid =iPhone
password =xxxx
[wifi1]
[wifi2]
[wifi3]
[wifi4]
[wifi5]
[wifi6]
[wifi7]
;=================================================
; GPS受信レートの設定(24.3.15)————————–
;=================================================
; 最大1秒間に10回とする
[gps]
rate = 4
;=================================================
; TCP Serverとしての設定————————–
;=================================================
; 基準局または移動局データの配信ポート
; port : 指定しない時は5201
[server]
port = 52101
;=================================================
; 移動局として動作する場合の設定
;=================================================
; 基準局データの取得先 —————————
; 最大9か所(source0~source8)登録可能
; port : 指定しない時は2101
;
;———————————————-
;ユーザ環境に応じて、address/port/mount/user/passwordを設定して下さい。
;基準局設定(RTK)設定
;以下はdocomoのNTRIPサーバを利用する場合の例です(mount/user/passwordは契約に応じて変えてください)
[source0]
address = docomo-hp-gnss.com
port = 2101
mount = RRSGD
user = XXXXX
password =YYYYY
protocol=ntrip
gga=1
;
;以下はsoftbankのNTRIPサーバを利用する場合の例です(mount/user/passwordは契約に応じて変えてください)
[source1]
address = ntrip.ales-corp.co.jp
port = 2101
mount = RTCM32MSM4
user = XXXXX
password = YYYYY
protocol = ntrip
gga = 1
[source2]
[source3]
[source4]
[source5]
[source6]
[source7]
;———————————————-
;基準局設定(CLAS)
; D9C(CLAS)を使用する場合は以下の様に設定して下さい。
[source8]
address = CLAS
port = 0
mount = CLAS
user = CLAS
password = CLAS
protocol = CLAS
gga = 1
4−2)M5stack+M5F9P起動
M5stack+M5F9Pを電源に繋いで起動します。起動すると以下の順序で画面が遷移していきます。
1。wifi接続 | configにwifi設定したSSIDを選択します。正常に接続できたら次のM5F9Pチェックに遷移しますが、wifi接続したIPアドレスとポート番号を覚えておきGeoDiveExaのクライアント設定で使用します。 | |
2。M5F9Pチェック | M5F9Pの動作確認をします。正常に動作確認が行えたら次の基準局指定に遷移します。 | |
3。基準局指定 | configに基準局設定したaddressを選択します。正常に接続できたらRTK-GNSS受信が始まります。 |
4−3)GeoDiveExa起動
iPhoneを4-2)で接続した同一wifiネットワークに繋げて、GeoDiveExaを起動します。
GeoDiveExaの「設定」「RTK受信方式」を「クライアント」にして、「IPアドレス」と「ポート番号」を4-2)で覚えたM5stack+M5F9PのIPアドレスとポート番号と同じ値に設定します。
設定後「更新」または「保存」を実行すると、GeoDiveExaがM5stack+M5F9Pに繋がり、高精度位置情報を使用した調査が開始できます。



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