1980(1)〜CAD=GDS2だ

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1980年代初期は、様々なパソコンメーカーが新機種を投入したパソコン戦国時代でした。8ビットパソコンが全盛で、
ゲーム機「ファミリーコンピュータ」も登場。MS-DOS 2.0や3.1が発売され、技術サポートの環境も変化しました1。
また、商用UNIXの開発が始まり、マイクロプロセッサを搭載したコンピュータで広く使われました。
BSDやSystem Vの統合も進み、TCP/IPの採用やネットワークAPIの標準化が進展しました。また、UNIXワークステーションが
隆盛し、大学でUNIXに慣れ親しんだ学生が企業に入り、商業分野でもUNIXの知名度が上昇しました

(=MicroSoft Copilotを使用して時代背景を作成しています。便利な世の中ですね)

1)ミニコン

Screenshot

上の画像はアメリカのCAD/CAMメーカCALMAのCAD端末作業風景です。世界初のCG映画「TRON」にも出てきました。今見ても結構カッコ良いと思います。

左の画像はData Genera Eclipse S/230という16b bitミニコンでCALMAGDS2と言うCADソフトで使用していました。当時は「超LSI設計用CAD」と宣伝していた物です。今のトランジスター数と比べるとオモチャ以下のサイズですが、当時でもLSI設計図は「体育館の広さが必要」と言われていたのでCADが必須の時代でした。OSはCDOSという仮マルチタスクOSです。

メモリーは64kbyte〜256byte程度で使用してました(=現在はGbyteなので1/100万程度のメモリーだったわけです)。

これにグラフィック端末3〜4台つけて2億円程度したと記憶してます。

私がCAD業界に入った当時のマシーンでした。

この上でGDS1/GDS2と言うIC設計用のCADソフトが動いており大手電気メーカが導入しており、セールスやサポートをしてました(=セールスは出来ませんので開発がメインでした)。

当時のCADには「ユーザが機能拡張できるように、プログラム言語」がCAD上に有りました(=今のExcelがVBAで機能拡張できるのと同じですね)。

GDS1の場合APLベースとしたGPL言語があり、APL特有の配列操作がとてつもなく強力でポリゴンと点の内包チェックなどを1行でできました(=が、他人が見ても何しているかとてもわかる様な物では有りません=ほとんど魔法の呪文ですね)。GDS2のGPL2言語はAlgol風(?)になり随分まともになりました。

この「ユーザが機能拡張できるプログラム言語」思想は私が携わったOHM=CADにもCGL言語として継承されています(=驚く事に40年以上経過した現在でもCATV設計CAD CadixExpertとして使用されています)。

GDS1/GDS2はなくなりましたが、その外部フォーマット(ストリームフォーマット)は、いまでもIC製造の現場では使用されている様です(=虎は死して皮を留め人は死して名を残す=私とOHMはまだ生きています)。

関連:GDS2操作用ライブラリ

2)ApolloWS(ワークステーション)

左の画像はApollo-DN4500で当時は画期的な世界初(?)のワークステーションです。OSはAEGIS/DomainOSというUNIXの様なマルチタスクOSですが、数10年先を行ったOSでした(=個人的感想ですから、異論反論あるかもしれませんが見逃してください)。最後にはDomainOS上でUNIXも動いていました(=Windows10のWSL2でLinuxが動く様な感じです)。

CPUはMC68000~68030を使っておりDN4500の場合MC68030を33Mhzで駆動していました。性能は12 MIPS程度(=現在のCPUはMIPS表現してませんが、動作周波数はGhzで、マルチコアなので1/1000~1/1万程度の性能でしょうね)。

リングネットという独自のネットワークで、WSをネットワークに繋ぐだけで使えます(A)。また同一ネットワークのWSは、あたかも1つのコンピュータの様になり、どのWSのファイルも仮想的なルートからアドレスされて読み書き(B)ができます。

ウインドウシステムが優秀で「全画面がHTML画面みたい」でした。画面に表示している文字は何でも・何処でも長方形エリアで指定してコピー・カット&ペーストできました(C)。

端末としてコマンドを入れると100万行(?)まで記憶されており、以前の状況をどこまでも確認できました(D)。

システム記述言語はPascalでメニュー作成用ライブラリーDialogが利用できるので画面設計が楽でした(=当時のWSやPCには、低級な物しかなく画期的でした)。

(A)はDNSの普及により似た様な事ができますが,(B)はできません。それぞれのコンピュータにサーバ機能とフォルダーのエクスポートとマウントをやればそれなりにはできるでしょうが、現代はウィルスなどの悪意のあるソフトが蔓延してますのでしない方が良いのでしょう(=古き良き思い出ですね)。

(C)は幾つかのテキストエディターでは「長方形のコピー・カット&ペースト」が有りますが、「画面すべて」でできる様な物は見た事が有りません(=本当に長方形のコピー・カット&ペーストは便利でした)。

(D)は端末ソフトである程度は以前の入力や結果を確認できますが、100万行もある様な変態端末ソフトは有るのかな?

HPのユーザ会に参加したときに「XXX機能が追加された」との発表が有って、一部の人々が拍手喝采してましたが、元Apolloユーザは呆れた顔をしてました(=いままで、Xそんな事もできなかったのと)。

同じ様にWindows95の発表の時も感じた物です。

AEGIS/DomainOSがオープンソースで世の中に広がったらコンピュータ業界が20年早く進んだのでは…と思ってしまいます。

関連:業界に痕跡を残して消えたメーカー 優秀なマシンを輩出するも業績に悩まされたApollo Computer

OHM=CADを開発する時にApolloをベースにしたので開発は非常に楽で快適でした。

3)16ビットPC(パソコン)

左の画像はNEC N5200と言う16bitパソコンです(=オフコンでも有ります)。

16bitパソコンとしてはPC9801が有名ですがN5200と内部構成はほとんど同じ物で私が本格的に使用した初めてのパソコンでした(=その後PC9801が発売されました)。

当時、開発に携わっていた世界初のスキャナーシステム(=AutoMaticDigitizer=自動図面読み取り装置)用のベクター編集機能(=簡易CAD)を作成してました。

N5200/PC9801にはupd7220という変態的で画期的なGDC(グラフィックコントローラチップ)が搭載されており、円・直線などの図形がコマンドを入れるだけで描画できました(=いまのPCには高機能のグラフィックボードが搭載されていますが、その走りと言えます)。

その他のPC(=PC AT互換機など)は、図形を描画するにはグラフィックメモリのアドレスを計算して1ドットづつ点を打っていくしかない時代に、始点と終点を入れるだけで直線が描けるのは画期的でした…が、upd7220には複数のパラメータを順序よく入れる仕様でした。いままでのICチップならIOポートに1つのコマンドを入れれば動作するのが当たり前だったので、最初に仕様を見た時には理解できませんでした(=upd7220を設計した人は天才か変人だと思いました)。

左の画像はNEC PC9801で歴史的な名機の16bitパソコンです。

N5200と同じでupd7220搭載でした。また当時は今と違ってPC9801の内部情報が沢山の書籍として出ており、PC9801のハードを直接操作する事が簡単にできました。例えば、RS232Cのハードアドレスが分かるので、そこにIOする事により外部との通信ができるとか、ハードウェアタイマー割り込みアドレスに自分のプログラムアドレスを設定してリアルタイム処理を作るとか…今では考えられない様な事をして遊んでいました。

ハードウェアのドライバーなどない時代なので大部分自作していた楽しい時代です。

4)シリコンバレーとALGOL

CALMAのGDS1/GDS2のCAM出力開発をやっていた時に「明日シリコンバレーのサンノゼ=CALMAの本社があった場所」に来いとご無体な電話が来て何もわからないまま飛んで行きました(=英語もろくに喋れないのに)。

現地ではCALMAのNo2技術者で教授と呼ばれていたGDS2の開発者と共にCAM出力の開発をさせられました。GDS2はALGOLで開発してましたので、英語は話せませんが共通言語ALGOLがあったのでそんなには苦労しなかったと記憶しています。

不思議な事に1ヶ月もいれば、それなりに冗談が言えるぐらいに日常会はできる物です。いまでも覚えているのは教授の口癖「Does it make sense?」とガソリンスタンドで使う「Full up」、それとレンタカーを借りるときの「All kind insurance, please」ですね。便利なので覚えておきましょう。

Does it make sense?:軽く理解した程度の意味。understandは「熟知」のニュアンスで強すぎる。

Full up:セルフスタンドの逆はフルスタンド。スタンド定員にガソリンを入れてもらう時に使った(=当時はセルフスタンドなど使った事がなかったので最初はFull upをお願いしていた。すぐにセルフになりましたが)。

All kind insurance, please:アメリカで車事故を起こしたら大変なので、とにかく保険は全て入りましょう。

感想1:当時の日本は夜中まで働き、アメリカ人は夕方には帰る(=働かない)と思っていましたが、夜の11時ごろCALMAを退社して朝9時ごろ出社すると、教授が昨晩の課題を解決しており説明してくれた(=夜11時以降も仕事して課題解決していてくれた)。実際夕方4時ごろ退社している人もいたが、エリートは日本人以上に働くのだなと感心しました。

感想2:I商事のI部長が「とにかく若いうちに外国にいけ。外国でトイレに行くだけでも意味がある」と言っていました。実際にトイレに行くと便器が大きくてびっくり=国技館の控室のトイレの便器みたい…ではなく、色んな意味で視野が広がります。確かに昔は外国に行く事は意味があったと思います(=1ドル260円前後でしたので今の160円なんてまだまだ)。

感想3:日曜日に一人で暇なのでレンタカー(マスタング)でサンノゼマウンテンビューを通ってサンフランシスコに行きました。途中スタンフォード大学で「巨大な1m以上あるカボチャ」を初めて見てビックリ(=ちょうどハロインの時期でした)。高速101(=ワンオーワンと現地では言います)でサンフランシスコへ入る景色と、国道10号で別府に入る景色はよく似てます(=規模は大違いです)。

感想4ロブスターは美味しかった(=伊勢海老と比べるとパサパサしているのでバターオイルにつけて食べると美味い)。ところがボストンに行って2ポンドロブスター見たら皿からはみ出る大きさにビックリした(=味は小さい方が美味しかった様な気がします)。その時「レッドクラムチャウダー」が有るのも初めて知りました。

感想5:マクドナルドの99セントオレンジジュースは美味しかった(=当時日本のジュースは「色付き水」でしたので100%オレンジジュースが安くて美味しかった)。

5)緊急のバグ対応(パズル1)

5−1)外国製CADのバグと対応状況

日本の大手電気メーカが集まり定期的にCALMAユーザ会が開催されていました。そこではCADのバグ修正や機能拡張などの要望が纏められてCALMAへ提出してました。また前回(=3〜4ヶ月前)の要望の対応状況も報告されますが「却下・調査中」が大半でした。全世界から要望が届くので仕方ありませんが、まだまだ日本の地位が低かった頃の話です。

5−2)どうにかするか

ある時にCADのバージョンアップがあり、今まで動いていた機能が動かなくなるバグが発生しました。バグ報告しても修正はいつになるかわかりません。ユーザは今日明日の問題でしたので、待っていてもしょうが無いのでバグ調査する事にしました。

調査といってもCADのソースが在るわけでも無いのでパズルを解く様な話です。バグ状況から「コンソール出力」に問題がありそうだったのでCADの実行ファイルを逆アセンブル・コード検索して「コンソール出力」部分を洗い出して、バイナリーエディターで修正してみました。奇跡的に3箇所ほど修正したら問題だった機能が動く様になり、ユーザにリリースしました(=人間苦境に立てばどうにかする物ですね)

しばらくは新しいCADバージョンが届くたびにバイナリーエディターで修正して出荷していました。

感想1:青山のI商事本社近くトニーローマのスペアリブは美味しかった。入っていたビルが改装のため2014年に閉鎖された様です。いまは日本各地にある様なので美味いは正義です。

青山店は1980〜2014なので34年以上続いた事になります。2010年ごろ行った時には他の店は変わっていたのトニーローマだけは健在でした。現在は日本に5箇所ある様です。近くに行ったら寄ってみてください。美味しいですよ。あ、ハワイにも有ります。

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感想2:青山のI商事本社近くの喫茶店の「モカソフト」は美味しかった。当時は「バニラソフト」しか無くて、そこでしか食べれなかった。その後井の頭公園でも食べられる様になったが(=その他でもモカソフトはあったでしょうが、当時は2箇所しかしりませんでした)。今はハーゲンダッツなど色々なアイス屋さんがありますが、当時は貴重なお店でした。

1980(2) に続きます。

お礼:日本語の文章はなかなか難しいので、日本語エラーチェックとしてEnno.jpを利用させてもらいました。今後も使用させて頂きます(=申し訳ありませんが、以後、この文章は記述しません)。

Enno.jp:
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